DJI Osmo Mobileシリーズは、スマートフォンの動画撮影時の手ブレを抑制し、プロのような滑らかな映像を実現するジンバルスタビライザーです。Osmo Mobile SE (OM SE) は2022年9月22日に発売された比較的安価なエントリーモデルとして位置づけられており、一方のOsmo Mobile 7 (OM 7) は2025年2月18日に発表された最新の標準モデルです。
この2機種は価格帯が近いものの、内蔵機能や携帯性に大きな違いがあります。本記事では、Osmo Mobile 7とOsmo Mobile SEの主な違いを徹底的に比較してみます。
基本スペック比較
| 項目 | Osmo Mobile 7 | Osmo Mobile SE |
|---|---|---|
| 発売日 | 2025年2月18日 | 2022年9月22日 |
| 重量(ジンバル本体) | 約 279g (本体のみ) / 約 300g (三脚/クランプ含む) | 約 352g (ジンバル本体) |
| バッテリー容量 | 3350 mAh | 2600 mAh |
| 最大駆動時間 | 約10時間 | 約8時間 |
| クイック起動 | 対応 (アーム展開で自動ON) | 非対応 |
| 内蔵三脚 | 内蔵 | グリップ式三脚(付属) |
| 内蔵延長ロッド | 非搭載 | 非対応 |
| スマホへの充電 | 対応 (USB-C) | 記載なし / 非対応 (仕様上) |
| ActiveTrack | ActiveTrack 7.0 (アプリ連動) | ActiveTrack 6.0 |
| 多機能モジュール | 対応 (別売りオプション) | 非対応 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.1 |
| アプリ | DJI Mimo | DJI Mimo |
Osmo Mobile 7の主な進化点
Osmo Mobile 7は、OM SEと比較して携帯性、バッテリー性能、および操作性の点で大幅な改良が見られます。
携帯性の向上と内蔵三脚の採用
OM 7はジンバル本体の重量が約300g(クランプ含む)と、OM SEの約352gよりも軽量化されています。 特にデザイン面で大きな変更として、OM 7はグリップ部分に内蔵三脚が採用されました。OM SEには外付けのグリップ式三脚が付属しますが、OM 7の内蔵三脚は、持ち運びや使用開始時の手間を軽減します。ただし、OM 7Pのみ延長ロッドが内蔵されていますが、OM 7(標準モデル)には内蔵されていません。
バッテリー性能とスマートフォンへの給電機能
OM 7はバッテリー容量が3350 mAhであり、最大駆動時間が約10時間です。これはOM SEのバッテリー容量2600 mAh、最大駆動時間約8時間と比較して延長されています。 さらに、OM 7はUSB-Cケーブルを通じてジンバル側からスマートフォンへの給電・充電をサポートしています。スマートフォンでの長時間撮影時にバッテリー消耗が懸念される際、モバイルバッテリーのように利用できるため便利です。
クイック起動とクイック収納の対応
OM 7は、アームを展開するだけで自動的に電源がオンになり、すぐに撮影を開始できるクイック起動に対応しています。また、電源をオフにするとアームが自動で元の位置に戻る「クイック収納」機能も備えており、片付けがスムーズです。OM SEにはこれらのクイック起動機能は搭載されていません。
ActiveTrack 7.0と多機能モジュールへの対応
OM 7シリーズは、DJI Mimoアプリ内でActiveTrack 7.0という最新の追尾機能に対応しています。OM SEはActiveTrack 5.0を搭載しており、被写体を自動で識別し追尾する機能が優れています。
OM SEでは、トリガーを1回押すか、DJI Mimoアプリのカメラビューで被写体を指で囲むことでActiveTrackを起動できます。
OM 7の大きな特徴として、別売りの「多機能モジュール」に対応している点が挙げられます。このモジュールは物理センサーを搭載しており、DJI Mimoアプリを使用せずにスマートフォンの純正カメラアプリやサードパーティ製カメラアプリでも、人物のトラッキングやジェスチャー操作を可能にします。
また、モジュールには補助照明機能や、DJI Mic Miniのレシーバー機能も搭載されていますが、多機能モジュールは人物のトラッキングのみに対応しています。OM SEはこの多機能モジュールには対応していません。
Osmo Mobile SEの特徴と評価
Osmo Mobile SEは、OM 7と比較して廉価なエントリーモデルであるものの、基本的なジンバル機能と利便性を備えています。
コストパフォーマンスと安定性
OM SEは価格が比較的抑えられており、初めてスマホジンバルを使う方にとって、コストパフォーマンスが高いモデルです。 OM SEは3軸ジンバルを採用しており、歩行時の上下のブレをほぼ吸収し、動画は安定した状態で違和感がない仕上がりになります。
犬の散歩中の動画撮影などでも、安定した動画が撮影できると評価されています。OM SEの対応スマートフォン幅は67〜84mm、厚さは6.9〜10mm、重さは170〜290gです。
DJI Mimoアプリの活用
OM SEでも、DJI Mimoアプリを利用することで、ActiveTrack 5.0といった高度な機能や、撮影方法を教えてくれるショットガイド機能などが利用できます。DJI MimoアプリはAndroidおよびiOSに対応していますが、AndroidユーザーはGoogle Play Storeで公開されていないため、DJIのサイトから直接ダウンロードする必要があります。 OM SEのユーザーレビューでは、マグネット式のスマホクランプが非常に強力で着脱が簡単であり、専用アプリの完成度が高い点が評価されています。
デザインと操作性
OM SEは折りたたんでコンパクトに持ち運ぶことが可能です。操作部には、ジョイスティック、録画ボタン、ジンバルモード切替ボタン、ズームスイッチ(左側面)、そしてトリガーボタン(裏側)が備わっています。トリガーボタンは追尾モードの開始/停止やジンバルの向きのリセットなどに使用されます。
どちらを選ぶべきか
Osmo Mobile 7がおすすめな人
OM 7は、旧モデルやエントリーモデルに比べて、機能性と利便性、そして拡張性が向上しています。
- バッテリー持続時間を重視し、約10時間の駆動時間を求める方。
- ジンバルからスマートフォンへの給電機能を利用したい方。
- アーム展開によるクイック起動やクイック収納など、準備と片付けの手間を最小限に抑えたい方。
- 別売りの多機能モジュールを利用して、純正カメラアプリや外部アプリでトラッキング撮影や補助照明機能を使いたい方。
Osmo Mobile SEがおすすめな人
OM SEは、初めてジンバルを使う方や、コストパフォーマンスを重視する方に最適です。
- 予算を抑えたい方(価格帯はOM 7より安価な場合があります)。
- ジンバルの基本的な手ブレ補正機能とActiveTrack 5.0があれば十分と考える方。
- クイック起動、内蔵延長ロッド、多機能モジュールといった追加機能は不要で、シンプルな操作性を求める方。
- OM SEは、スマホを装着してすぐに撮影できる手軽さがあり、初めてスマホジンバルを使う初心者にとってバランスの良いモデルです。





コメント