FUJIFILM X-T30 IIIは、富士フイルムのエントリーレベルのレンズ交換式カメラの最新モデルです。このモデルは、小型軽量なボディにクラシカルなセンターファインダースタイルを継承しつつ、主要な内部コンポーネントが大幅にアップグレードされています。
FUJIFILM X-T30 III スペック詳細
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 発売時期(日本国内) | ボディ単体: 2025年11月下旬 |
| XC13-33mmレンズキット: 2025年12月 | |
| 市場想定価格(日本国内) | ボディ単体: 152,900円前後 |
| XC13-33mmレンズキット: 178,200円前後 | |
| ボディカラー | シルバー、ブラック、チャコールシルバー |
| 型番 | FF250003 |
| イメージセンサー | 裏面照射型 X-Trans CMOS 4 (APS-Cサイズ) |
| 有効画素数 | 約2610万画素 |
| 画像処理エンジン | X-Processor 5 |
| センサー除塵 | 超音波 |
| 手ブレ補正 | なし(動画撮影時は電子式ブレ補正を搭載) |
| ISO感度(標準) | ISO 160~12800 |
| ISO感度(拡張) | ISO 80~51200 |
| 静止画出力形式 | JPEG、14bit RAW、TIFF |
| フィルムシミュレーション | 20種類 (REALA ACE、NOSTALGIC Neg.を含む) |
| 専用FSダイヤル | 天面左肩に搭載 (FS1〜FS3のFSレシピ登録可能) |
| AF検出方式 | ハイブリッド(像面位相差およびコントラスト) |
| 測距点 | 13×9 / 25×17(最大425点) |
| 被写体検出AF | 動物、鳥類、車、バイク、自転車、飛行機、鉄道、昆虫*、ドローン*(*は設定で選択) |
| 低輝度AF範囲 | -7.0EV (F1.0レンズ装着時) |
| メカニカルシャッター速度 | 15分~1/4000秒 |
| 電子シャッター速度 | 15分~1/32000秒 |
| フラッシュ同調速度 | 1/180秒以下 |
| 連続撮影速度(電子シャッター) | 最大約30コマ/秒 (1.25x クロップ時) |
| 動画最大記録 (内部) | 6.2K/30P (29.97p) 4:2:2 10bit (SDカード記録) |
| 動画記録(その他) | 4K/60P (59.94p)、FHD/240p(ハイフレームレート) |
| Logプロファイル | F-Log 2 (最大14+ストップ) |
| 動画記録時間(最長) | 60分 (室温、標準) |
| ファインダー | 0.39型 有機EL (約236万ドット、0.62倍) |
| 液晶モニター | 3.0型 チルト式 タッチパネル (約162万ドット) |
| 記録メディア | SDカード (UHS-I対応) |
| メモリーカードスロット | シングルスロット |
| インターフェース | USB 3.2 Gen 1 (Type-C)、HDMI Type D |
| マイク入力 | 2.5mm ステレオミニジャック |
| ワイヤレス接続 | Wi-Fi (802.11b/g/n)、Bluetooth 4.2 |
| ウェブカメラ機能 | USB接続 (アプリ不要) |
| フラッシュ | 内蔵ポップアップ式 (GN約7) |
| バッテリー | NP-W126S |
| 撮影可能枚数(標準) | 315枚 |
| 撮影可能枚数(エコノミーモード) | 425枚 |
| 本体寸法 (幅 x 高 x 奥行) | 118.4 x 82.8 x 46.8 mm |
| 質量(バッテリー・カード含む) | 約378g |
| 質量(本体のみ) | 329g |
注: 昆虫を検出する場合は「鳥」を、ドローンを検出する場合は「飛行機」を選択して設定する必要があります。
X-Processor 5による主要な機能向上
FUJIFILM X-T30 IIIは、イメージセンサーこそ前モデルと同じ「X-Trans CMOS 4」を継承していますが、最新の高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載することで、多くの機能が大幅に向上しています。このプロセッサーにより、従来モデルと比べ約2倍の高速処理が実現しています。
1. 最新の被写体検出AF
X-Processor 5の搭載により、ディープラーニング技術を用いた最新の被写体検出AFが実現しました。顔・瞳AFに加え、動物、鳥類、車、バイク、自転車、飛行機、鉄道など、多様な被写体を自動で認識し、追尾することが可能です。これにより、撮影者は構図やシャッターチャンスに集中しやすくなります。
2. 動画性能の強化
動画撮影機能も大幅に進化しました。新たに6.2K/30P 4:2:2 10bitでのカメラ内SDカード記録に対応しています。また、4K/60Pの撮影や、最大10倍のスローモーション効果が得られる1080/240Pのハイフレームレート撮影にも対応しています。さらに、広範なダイナミックレンジを提供する「F-Log 2」プロファイル(最大14+ストップ)に対応している点も特徴です。
3. フィルムシミュレーションと操作性
X-T30 IIIは、写真表現の幅を広げる全20種類のフィルムシミュレーションモードを搭載しています。これには、忠実な色再現性とメリハリのある階調表現を持つ「REALA ACE」や、高彩度かつ柔らかな階調表現を持つ「NOSTALGIC Neg.」が含まれます。
また、天面左肩には「FUJIFILM X-T50」などで好評の専用フィルムシミュレーションダイヤルが搭載されました。このダイヤルには、オリジナルの画質設定(FSレシピ)を登録できる「FS1」から「FS3」の3か所のポジションが備わっており、直感的な操作で多彩な写真表現を楽しめます。
4. バッテリー効率の向上
X-Processor 5による消費電力の抑制により、最大撮影枚数はエコノミーモード設定時で最大425枚となり、バッテリーライフが向上しています。
発売時期と価格
FUJIFILM X-T30 IIIの発売は、2025年11月下旬を予定しています(ボディ単体、日本国内)。
レンズキット(XC 13-33mm F3.5-6.3 OIS付属)は、2025年12月に発売予定です。
ボディカラーは、シルバー、ブラック、チャコールシルバーの3色展開です。
市場想定価格(日本国内)は以下の通りです。
- ボディ単体:152,900円前後
- XC13-33mmレンズキット:178,200円前後
X-T30 IIからの主な進化点
X-T30 IIIは、4年前に発売されたX-T30 II (2021年11月25日発売) と比較して、外観上の大きな変化はありませんが、内部の核となる部分と機能において重要なアップグレードが行われています。
最新の画像処理エンジンとAF性能
X-T30 IIIの最も大きな進化点は、画像処理エンジンがX-Processor 4から最新のX-Processor 5へ刷新されたことです。この新しいプロセッサーにより、X-T30 IIIは最新の被写体検出AF機能を獲得しました。
X-T30 IIも高速かつ高精度のAF性能を誇っていましたが、特に動く被写体に対してピントを外す場面も見られました。X-T30 IIIでは、AIを活用したディープラーニング技術により、動物、鳥、乗り物など、多様な被写体を自動で認識・追尾できるようになり、撮影者は構図やシャッターチャンスに集中しやすくなりました。
フィルムシミュレーションダイヤルの搭載
X-T30 IIIは、X-T30 IIでは利用できなかった新しいフィルムシミュレーションモードを含む、計20種類を搭載しています(X-T30 IIは18種類)。特に追加されたのは「REALA ACE」と「NOSTALGIC Neg.」です。
また、X-T30 IIIでは、X-T50やX-M5と同様に、天面左肩に専用のフィルムシミュレーションダイヤルが新たに採用されました。これにより、ユーザーはフィルムシミュレーションをより直感的に選択できるようになります。このダイヤルには、オリジナルの画質設定(FSレシピ)を登録できる3つのポジション(FS1~FS3)も備わっています。
X-T30 IIでは、ドライブモードダイヤルが配置されていた場所が、X-T30 IIIではフィルムシミュレーションダイヤルに置き換えられています。
動画性能の大幅な向上
X-Processor 5の処理能力向上により、動画性能も飛躍的に向上しました。
X-T30 IIは最大DCI 4K/30p(内部記録は4:2:0 8-bit)でしたが、X-T30 IIIは新たに6.2K/30P(4:2:2 10bit内部記録)に対応しました。また、4K/60pでの記録も可能となっています(X-T30 IIIでは1.17倍クロップ、X-T30 IIでは4K/30Pまで)。
さらに、X-T30 IIIは広範なダイナミックレンジを提供する「F-Log 2」プロファイルに対応していますが、X-T30 IIは「F-Log」のみの対応でした。
スペック比較表:X-T30 III vs X-T30 II
| 機能 | FUJIFILM X-T30 III | FUJIFILM X-T30 II |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2025年11月下旬 | 2021年11月25日 |
| センサー | 約2610万画素 X-Trans CMOS 4 (APS-C) | 約2610万画素 X-Trans CMOS 4 (APS-C) |
| 画像処理エンジン | X-Processor 5 | X-Processor 4 |
| AF性能 | ハイブリッドAF。ディープラーニング技術による最新の被写体検出AF搭載(動物、鳥、車、バイク、飛行機、鉄道、昆虫、ドローン) | ハイブリッドAF。顔/瞳AF対応だが被写体検出AI機能なし |
| フィルムシミュレーション | 20種類(REALA ACE, NOSTALGIC Neg.含む) | 18種類 |
| 専用FSダイヤル | 搭載(天面左肩、FSレシピ3か所登録可能) | 非搭載 |
| 動画記録(最大) | 6.2K/30P 4:2:2 10bit(内部SDカード記録) | DCI 4K/30p (内部記録は4:2:0 8-bit) |
| ハイフレームレート | 1080/240p | 1080/240p |
| Logプロファイル | F-Log 2 (最大14+ストップ) | F-Log (11+ストップ) |
| 手ブレ補正 | 電子式(動画時) | 電子式(動画時)(※ボディ内手ブレ補正は非搭載) |
| 連続撮影速度(電子シャッター) | 最大約30コマ/秒(1.25倍クロップ) | 最大約30コマ/秒(1.25倍クロップ) |
| ISO感度(標準) | ISO 160~12800 | ISO 160~12800 |
| 液晶モニター | 3.0型 チルト式 タッチパネル(約162万ドット) | 3.0型 チルト式 タッチパネル(約162万ドット) |
| EVF | 0.39型 有機EL 約236万ドット (0.62倍) | 0.39型 有機EL 約236万ドット (0.62倍) |
| 最大撮影枚数 | 約425枚(エコノミーモード) | 約390枚(液晶モニター使用時) |
| 本体サイズ (WxHxD) | 118.4 x 82.8 x 46.8 mm | 118.4 x 82.8 x 46.8 mm |
| 質量(バッテリー・カード含む) | 約378g | 約378g |
| インターフェース | USB 3.2 Gen 1 (USB-C), HDMI Type D。USBウェブカメラ機能(アプリ不要) | USB Type-C, HDMI Type D。USBウェブカメラ機能(アプリ必要) |



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