動画撮影にハマったことがある人なら一度はジンバルを導入するか検討したことはあるのではないでしょうか。
私自身これまでスマホ用、コンデジ用、一眼レフ用と様々な種類のジンバルを使ってきました。初めは

ジンバルがあればどんなシーンも完璧に撮れる!
と期待していましたが、使い込むうちにメリットだけでなくデメリットも実感するようになりました。
この記事では、ジンバルの基本的な仕組みから、具体的なメリット・デメリット、そしてどのようなシーンでジンバルが活躍するのかについて、私自身の経験も交えて解説します。
ジンバルとは

そもそもジンバルとは、カメラの3軸(パン、チルト、ロール)をモーターで自動的に制御し、常にカメラを水平に保つことで、手ぶれのない映像を撮ることが出来ます。
動きのあるシーンでもスムーズな撮影が可能なため、プロの映像制作現場から個人のVlogまで、幅広い用途で使用されています。
ジンバルを使うメリット
手ぶれのないスムーズな映像撮影
- 安定感: 3軸モーターがカメラのぶれを補正することで、歩きながらや動きのあるシーンでも、ブレの少ない映像が撮れます。
- 視聴者へのインパクト: 手ぶれが抑えられることで、被写体により注目が集まり、映像のクオリティが向上します。
ジンバルの基本的なメリット(手ぶれ補正による滑らかな映像撮影)以外にも、さまざまな利点があります。
- 撮影の自由度が向上する
ジンバルを使えば、カメラの動きを自在にコントロールできるため、通常の手持ち撮影では難しい斬新なアングルや移動ショット、追従ショットなど、立体的でダイナミックな映像表現が可能になります。 - 撮影時の負担軽減
カメラをしっかり固定できるので、手持ちでの長時間撮影による腕の疲労や、ぶれを気にしながらの撮影から解放され、より快適に撮影に集中できます。 - プロフェッショナルな映像品質の向上
安定した映像は視聴者に信頼感を与え、映像作品全体のクオリティを向上させるため、プロフェッショナルな印象を与えることができます。 - 撮影後の編集作業の効率化
安定した映像は、編集時に余計な手ぶれ補正やカットの修正作業が少なく済むため、ポストプロダクションの工程がスムーズになります。結果として、仕上がりのクオリティと効率が向上します。 - 多様なシーンへの対応力
ジンバルは動いている被写体を追いかけたり、複雑な移動シーンを撮影する際に非常に有効です。これにより、イベントやスポーツ、ドキュメンタリーなど、さまざまなジャンルの撮影に柔軟に対応できます。 - クリエイティブな演出が可能
カメラの動きを自在にデザインできるため、映像にリズム感やドラマティックな効果を加えやすく、クリエイティブな映像制作の幅が広がります。これにより、他にはない独自の映像表現を実現できます。
これらのメリットが組み合わさることで、ジンバルは映像制作における非常に強力なツールとなり、撮影シーンやクリエイティブなアイデアをより一層引き出してくれます。状況や目的に合わせて上手く活用することで、作品のクオリティを大きく向上させることができるでしょう。
ジンバルのデメリット
機動力の低下
- 迅速な対応が難しい: 急な撮影シーンや瞬間的な動きに対応しづらく、必要なショットを逃してしまう可能性があります。
- モード変更の必要性: シーンに合わせたモード設定や向きの調整が求められるため、慣れていないとタイミングを逃すことも。
持ち運びの手間
- 重量と収納スペース: ジンバル自体がかさばり、特に旅行や長時間の外出時には、カメラバッグ内での収納が難しいことがあります。
- モデルによる違い: 例えば、DJI Roninシリーズは分解が可能なため、持ち運びやすい設計となっている点は評価できますが、モデル選びは重要です。
操作の習熟が必要
ジンバルは高度な機能を備えている分、正しく使いこなすには慣れが必要です。操作方法や各種モードの切り替えに慣れるまで、試行錯誤が求められるため、初心者にとっては学習コストがかかる面があります。
コスト面
高品質なジンバルは一般的に価格が高めです。予算に制約がある場合、複数の用途に対応するための他の撮影機材とのバランスを考える必要があります。
ジンバルを過信しすぎる
特に初心者が気をつけたいのがジンバル頼みになってしまうこと。私もかつてはそうでしたが、ジンバルに頼りすぎると、実は撮れるはずのショットを見逃してしまうリスクもあるため、撮影計画の柔軟さが求められます。
ジンバルの効果を最大限に発揮するためには、どのシーンで使うか事前に計画を立てる必要があります。
ジンバルが活躍する場面とは
ジンバルは、以下のようなさまざまなシーンでその真価を発揮します。
- 動きのあるシーンでの撮影
- 歩きながらの撮影: 人が歩いているときや、移動中に手ぶれを最小限に抑えた映像を撮影できます。
- 追従撮影: 被写体が動くシーン(例えばランニングや車での撮影など)に合わせて、滑らかにカメラを追いかけることが可能です。
- シネマティックな映像表現
- ダイナミックなカメラワーク: パンやチルト、ローリングなど、映画のような動きのあるショットを実現でき、映像に立体感や臨場感を加えられます。
- スライダーショットの代替: 重たいスライダーを持たずとも、ジンバルを使うことで同様の効果を簡単に得られるため、クリエイティブな映像制作に適しています。
- イベントやライブ撮影
- コンサートやスポーツイベント: 動きが激しいシーンでもジンバルが安定した映像を提供するため、観客や主催者にとっても視聴しやすい映像になります。
- ドキュメンタリー撮影: リアルタイムで進むストーリーやイベントの臨場感を、滑らかな映像で捉えることができます。
- Vlogや日常の撮影
- 屋外の散策や旅行: 自然光や環境の変化が多い屋外シーンでも、ジンバルがあれば手ぶれなく撮影でき、視聴者にとっても見やすい映像が得られます。
- 複数人での撮影: グループで動きながらの撮影やインタビューシーンなど、複雑な動きが発生するシーンでも役立ちます。
- 特殊な撮影シーン
- 低速から高速の動きの切り替え: スムーズな移行が求められるシーン(例:静止シーンから急に動き出す場合など)で、ジンバルがあれば違和感のない映像を実現できます。
- クリエイティブな演出: カメラワーク自体をストーリーテリングの一部とし、観る人に印象深い映像体験を提供する際に、ジンバルは大いに役立ちます。
まとめると、ジンバルは動的な撮影環境やシネマティックな演出、ライブイベントやドキュメンタリーなど、幅広いシーンで活躍できます。
撮影シーンの特性や目的に合わせた使い分けが、ジンバルの効果を最大限に引き出す鍵となります。
あらかじめ撮影計画を立てることで、ジンバルが「必要な場面」と「そうでない場面」を見極めることが大切です。
ジンバル選びと使いこなしのコツ
初心者へのアドバイス
- 試してみる価値は十分にある: 使ってみたいという純粋な好奇心も大切です。私自身、初めは興味心からジンバルに触れることで動画撮影の楽しさに気付かされました。
- 操作に慣れる: まずは基本操作やモード設定に慣れ、シーンに応じた使い方を実践してみると良いでしょう。
注意点と改善策
- 過信は禁物: 初心者の頃は「これさえあれば何でも撮れる」と思いがちですが、実際には使い方次第でメリットもデメリットも生じます。
- カメラの進化とのバランス: 近年のカメラは手ぶれ補正機能が大幅に向上しており、ジンバルなしでも十分な撮影が可能な場合もあります。
たとえば、私の場合、ソニーα7IIIではジンバルが必須でしたが、最新モデルのα7CIIでは手持ち撮影でも十分な安定感が得られるようになりました。
まとめ
ジンバルは、特定のシーンで大きな強みを発揮する一方で、使い方や状況によってはデメリットが目立つこともあります。
- メリット: 手ぶれのないスムーズな映像、ダイナミックな撮影表現
- デメリット: 機動力の低下、持ち運びの不便さ、事前準備の必要性
ジンバルを使いこなすことで、映像表現の幅が広がります。自分の目的やシーンに合わせた最適な使い方を見つけ、動画制作に取り入れてみてください。
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