2025年7月28日、Insta360は360度カメラを搭載したクリエイター向けドローンの新ブランド「Antigravity(アンチグラビティ)」を発表しました。この新ブランドは、従来のドローン撮影の枠を超え、360度没入型フライト体験を提供することを目指しています。この記事では、Antigravityの概要、特徴、そしてその可能性について詳しく解説します。
Antigravityとは?

Antigravityは、Insta360が複数のパートナー企業とエンジニアチームによって設立された新ブランドです。世界初の360度ドローンカメラを市場に投入し、次世代の空撮体験を再定義することを目標としています。新製品は2025年8月に正式発表予定で、以下の特徴が予告されています:
- 重量: 249g未満(軽量で規制の厳しい地域でも使いやすい)
- 解像度: 8K対応(高精細な360度映像)
- 操作性: 初心者から上級者まで直感的に扱える設計
- 没入型体験: ヘッドマウントディスプレイ(HMD)による一人称視点(FPV)の提供
ティーザー画像では、ドローン本体とサングラス型のHMDが確認されており、DJIの「Neo」や「Avata 2」といったFPVドローンと競合する製品になると予想されます。

Antigravityが目指すもの
1. 360度没入フライト体験
Antigravityの核心は、「360度没入フライト」という新しいコンセプトです。360度カメラを搭載することで、従来のドローンでは得られなかった全方位の映像を撮影可能。HMDを装着すれば、まるで自分がドローンと一緒に飛行しているかのような臨場感を味わえます。この没入感は、クリエイターや映像制作者にとって新たな表現の可能性を開くものです。
2. 8K解像度とInsta360の技術力
Insta360は、360度カメラ市場でAIトラッキングや自動編集といったソフトウェアの強みを活かしてきました。Antigravityの新製品でも、これらの技術が活用され、高品質な8K映像の撮影や編集が容易になると期待されます。特に、Insta360のアプリによる直感的なリフレーミングや手ブレ補正技術が、空撮映像のクオリティをさらに高めるでしょう。
3. ユーザー参加型の開発:Antigravity Hub
Antigravityは、ユーザーとの共創を重視し、「Antigravity Hub」というプログラムを立ち上げます。このプログラムでは、ユーザーのフィードバックやアイデアを積極的に取り入れ、将来の製品や機能開発に反映。貢献したユーザーには報酬も提供される予定で、コミュニティ主導のイノベーションが期待されます。
競合との比較
Antigravityのドローンは、DJIの「Neo」や「Avata 2」といったFPVドローンと直接競合します。DJIはドローン市場のトップランナーですが、Insta360は360度カメラの専門知識を活かし、独自のポジションを築こうとしています。特に、以下の点で差別化が図られています:
- 360度撮影: DJIのドローンは主に単一方向の撮影に特化していますが、Antigravityは全方位の映像をキャプチャ可能。
- 操作の簡便さ: Insta360は「操作が難しそう」「時間がない」といったドローン初心者の障壁を取り除くことを重視。直感的な操作性で、幅広いユーザー層をターゲットにしています。
- AI技術の統合: Insta360のAI編集機能やトラッキング技術は、映像制作の効率を大幅に向上させることが期待されます。
Insta360のこれまでの実績と期待
Insta360は、Xシリーズ(X3、X4、X5)やAce Proシリーズなどで、アクションカメラや360度カメラ市場をリードしてきました。特に、X4は8K撮影に対応し、鮮やかな画質と使いやすさで高い評価を得ています。X5では大型センサーやトリプルAIチップを搭載し、暗所性能やバッテリー駆動時間(3時間)が向上。Antigravityのドローンにも、これらの技術が応用される可能性が高いです。
また、Insta360は過去に「Sphere」というドローン用360度カメラをリリースし、DJIのMavic Air 2/S2に対応する製品を展開。ドローン本体を映像から消す技術や、FlowStateスタビライゼーションによる安定した撮影を実現してきました。Antigravityは、このSphereのコンセプトをさらに進化させたものと考えられます。
今後の展望
Antigravityの新製品は、2025年8月の正式発表を控え、詳細なスペックや価格はまだ明らかになっていません。しかし、Insta360のブランド力と技術力を考えると、映像クリエイターやドローンユーザーにとって期待が高まります。
- アクセサリーの充実: Insta360はXシリーズで多様なアクセサリー(自撮り棒、マウントなど)を提供しており、Antigravityでも同様のエコシステムが期待されます。
- ソフトウェアの進化: AIを活用した自動編集やトラッキング機能が、ドローン撮影の敷居を下げ、初心者でもプロ並みの映像を作れる可能性があります。
- 市場への影響: DJIが支配するドローン市場に、360度撮影という新たな価値を提案することで、競争が一層激化するでしょう。
まとめ
Insta360の新ブランド「Antigravity」は、360度ドローンカメラのパイオニアとして、空撮の常識を変える可能性を秘めています。Insta360の革新が、ドローンと360度映像の未来をどのように切り開くのか、注目していきましょう。



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