Insta360は、165gと軽量でありながら8K撮影が可能な360度カメラ「Insta360 X4 Air」を発表しました。この製品は、フラッグシップモデルのInsta360 X5の発売から約6ヶ月後にリリースされ、市場の隙間を埋める、より小さく携帯性に優れたパッケージとして設計されています。X4 Airは、初めて360度動画に挑戦する人向けのエントリーモデルとして位置づけられています。
Insta360 X4 Airの主な特徴とスペック
基本情報と価格
Insta360 X4 Airは2025年10月28日に発売されました。
- 価格:直販価格は標準版が56,900円(税込)です。
- スターターキット:カメラ本体に、予備バッテリー、114cmの見えない自撮り棒、レンズキャップをセットにしたスターターキットは62,900円(税込)で提供されています。予備バッテリーは、バッテリー駆動時間が限られている点を考慮すると非常に有用なバックアップとなります。
- カラー:グラファイト・ブラックとアークティック・ホワイトの2色展開です。
- 位置づけ:軽さ、画質、価格のバランスに優れた注目の360度カメラであり、日常使い、旅行、Vlogに最適なモデルです。
映像性能(センサーと解像度)

X4 Airは、小型のボディに高い映像技術を凝縮しています。
- 動画解像度:最大8K/30fpsの360度動画撮影が可能です。また、6K/50fpsでの撮影もサポートしています。
- 静止画解像度:2,900万画素(29MP)の高解像度な写真画質を実現しています。
- センサー:デュアル1/1.8インチセンサーを搭載しており、これは前作のX4(1/2インチ)よりも大型化されています。このセンサーはX4と比較して、フレームあたりのピクセル面積が134%増加しており、より鮮明な8K映像の撮影に寄与しています。
- 画像処理:インテリジェント露出アルゴリズムである「AdaptiveTone」に対応し、2つのレンズからの光を個別に分析することで、360度画像全体の明るさと色のバランスを調整します。これにより、複雑なカラーグレーディングなしで空や影のディテールを保護できます。
- HDR機能:アクティブHDR機能も搭載されており、最大8K/30fpsの映像に対応し、難しい照明条件でもリアルなハイライトとシャドウをリアルタイムで拡大することで撮影できます。
- 手ブレ補正と安定化:FlowState安定化技術と360度ホライゾンロックを搭載しており、安定した映像を確保します。
デザインと携帯性
X4 Airの最大の魅力はその携帯性です。
- 重量とサイズ:Insta360史上最軽量を謳う165g(5.8oz)で、Xシリーズで最も軽いです。その軽さはiPhone並みであり、ジャケットのポケットに入れてもかさばらず、気軽に持ち運べます。
- 操作性:2.5インチのタッチスクリーンを備えていますが、画面サイズが小さいため、より詳細な設定や編集はスマートフォンアプリで行うことが推奨されています。X4やX5に見られるデュアルコントロールデザインではなく、下部中央に大型のシャッターボタンが一つ配置され、より合理化されたデザインになっています。
- 耐久性:水深15mまでの防水性能を持っています。これはX4(10m)よりも向上しており、X5と同等の防水深度です。また、超硬質光学コーティングが施された交換可能なレンズシステムが採用されており、レンズが破損した場合でもユーザー自身で交換できるため、安心感があります。
その他の主要スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 重量 | 約165g (5.8oz) |
| 360度動画 | 最大8K/30fps、6K/50fps |
| センサーサイズ | デュアル1/1.8インチ |
| 静止画解像度 | 2,900万画素 |
| 防水性能 | 15m |
| バッテリー容量 | 2010mAh |
| 連続撮影時間 (8K/30fps)(6K/24fps) | 88分・105分 |
| 充電時間 | 57分 |
| ストレージ | MicroSD |
Insta360 X4 AirとX4/X5の徹底比較
X4 Airは、携帯性と価格の面で既存のX4およびX5と明確に差別化されたモデルです。
X4 Air vs X4:軽量化と機能の進化
X4 Airは、X4(203g)から約165gへと大幅に軽量化され、携帯性が向上しました。
- センサー:X4の1/2型センサーに対し、X4 Airは1/1.8インチセンサーへと大型化しており、日中の画質向上に貢献しています。
- 耐久性:X4は完全防水(10m)でタフさが魅力でしたが、X4 Airは防沫仕様(防水15m)とされています。X4 Airの防水性能はX4よりも向上しています。
- レンズ交換機能:X4では非対応だった交換可能レンズ機能がX4 Airで追加され、破損時の修理が容易になりました。
- 価格:X4 Air(56,900円)はX4(79,800円)よりも安価な設定です。
X4 Airは、X4からの確実な進化を遂げつつ、タフさよりも気軽さと扱いやすさに重点を置いたモデルと言えます。
X4 Air vs X5:画質とプロ仕様機能の差
X5はInsta360のフラッグシップモデルであり、X4 Airはそれよりもカジュアルな利用を想定しています。
- センサーサイズ:X5はデュアル1/1.28インチセンサー(大型センサー)を搭載しているのに対し、X4 Airはデュアル1/1.8インチセンサーです。
- 重量:X5は239gまたは223gとやや重めですが、X4 Airは165gとかなり軽いです。
- 暗所性能:X5には低照度撮影用の「PureVideoモード」が搭載されていますが、X4 Airにはこのモードが非搭載です。そのため、夜景や薄暗い場所での画質やノイズ処理性能はX5に劣ります。
- カラー記録:X5は色の階調表現が豊かで編集耐性の高い10bitカラー記録に対応していますが、X4 Airはそこまでの細かい編集は想定されていません。ただし、X4 Airにはフラットプロファイルが用意されており、ポスプロでのカラーコントロールの余地はあります。
- 価格:X5(84,800円)は高価格帯であり、X4 Air(56,900円)は手に取りやすい価格帯に設定されています。
スペック比較表
| 機能 | X4 Air | X4 | X5 |
|---|---|---|---|
| 重量 | 約165g | 約203g | 約239g / 223g |
| センサーサイズ | デュアル1/1.8インチ | デュアル1/2インチ | デュアル1/1.28インチ |
| 360度動画解像度 | 最大8K/30fps | 最大8K/30fps | 8K/30fps / 5.7K/60fps |
| 静止画解像度 | 2,900万画素 | 7,200万画素 | 7,200万画素 |
| 防水性能 | 15m (防沫/防水) | 10m (完全防水) | 15m (防沫/防水) |
| PureVideoモード | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 |
| レンズ交換機能 | 対応 | 非対応 | 搭載 |
| 価格 (通常版) | 56,900円 | 79,800円 (セール中67,800円) | 84,800円 |
Insta360 X4 Airはどんなユーザーにおすすめか
Insta360 X4 Airは、高画質、軽量、低価格というバランスの良さが最大の強みです。
- カジュアル派や初心者:軽くて持ち歩きやすい(165g)ため、日常のちょっとした瞬間や街歩き、旅行など、気軽に撮影したいカジュアルなユーザーに最適です。また、X5よりも手に取りやすい価格設定であるため、360度カメラを初めて導入する人にとっても最適な選択肢となります。
- 携帯性を最優先するユーザー:荷物をコンパクトにしたい旅行好きな人や、カメラバッグに知覚できるほどの負荷をかけたくないユーザーに向いています。
- 昼間の高画質撮影を求めるユーザー:8K撮影に対応しており、AI編集機能も優秀なため、難しい設定なしでSNSやYouTubeに投稿できるクオリティの映像を簡単に作れます。
一方、暗い場所での撮影が多い人や、10bitカラー記録による編集耐性を求めるなど、映像作品レベルの画質にこだわりたいプロ志向のユーザーには、X5が推奨されます。
Insta360 X4 Airは、「重たい機材は持ちたくないけれど、きれいな映像は残したい」というニーズに応える、バランスの取れたモデルです。




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