「MX MASTER 3S」は、前モデル「MX MASTER 3」の優れたデザインと機能を引き継ぎつつ、さらに進化した製品です。
この記事ではMX MASTER 3Sの特徴や使用感をレビューします。
手に馴染むデザインと快適さ
MX MASTER 3Sの第一印象は、その洗練された外観と手にしっくりくる形状です。
サイズは約124.9mm × 84.3mm × 51mm、重量は141gと、やや大きめでしっかりとした重さがあります。この設計は、長時間の使用でも疲れにくいエルゴノミクスを追求したもので、特に右手専用として最適化されています。残念ながら左利き用のモデルは用意されていないため、左利きの方には別の選択肢を検討する必要があります。
表面はマットなラバーコーティングで覆われており、滑りにくく高級感があります。
親指が自然に収まるサムレストや、指先が無理なく届くボタン配置は、長時間作業する際に大きな差を生みます。

実際に数時間のデスクワークでも手首や指に負担を感じることなく、快適に使い続けることができました。
静音性と高精度センサー
MX MASTER 3Sの最大の特徴は、静音性とセンサー性能の向上です。
前モデルと比べてクリック音が約90%低減されており、オフィスや静かな環境での使用に最適です。
実際に使ってみると、クリック時の「カチッ」という音がほとんど聞こえず、代わりに柔らかい「トン」という感触が伝わります。この静粛性は、周囲への配慮が必要な場面で特に重宝します。
従来のクリック感を好む方には、やや物足りなく感じるかもしれません。

カフェや図書館など、周囲の環境に配慮が必要な時はとても重宝します。
センサーも大幅に強化され、最大8,000 DPI(感度)のDarkfieldセンサーを搭載しています。
前モデルの4,000 DPIから倍増し、高解像度の4Kディスプレイやマルチモニター環境でもスムーズに操作できます。私のテストでは、27インチの4Kモニター上でカーソルが軽快に動き、細かい作業もストレスなくこなせました。
ガラス面でも動作するほどの高精度で、デスク環境を選ばないのも嬉しいポイントです。
スクロールホイール「MagSpeed」
MX MASTER 3Sのスクロールホイール「MagSpeed」は、シリーズの代名詞とも言える機能です。ボタン一つで「ラチェットモード(ステップごとのスクロール)」と「フリースピンモード(高速連続スクロール)」を切り替えられるのが特徴で、最大1,000行/秒の高速スクロールが可能です。
長文ドキュメントやExcelシートを素早く移動したい時に、このフリースピンモードは驚くほど便利です。一方で、精密な操作が必要な場面ではラチェットモードが安定感を提供します。

MagSpeedはエクセルやWebサイトなどで画面を一気にスクロールしたい時などに便利な機能です。
さらに、横に配置されたサムホイールは、横スクロールを自然に操作できるため、動画編集ソフトや表計算ソフトでの作業効率が格段に上がります。
タフなバッテリー駆動時間
MX MASTER 3Sは、Bluetoothと2.4GHzのLogi Bolt USBレシーバーの両方に対応しており、最大3台のデバイスとペアリング可能です。
本体底面のボタンで簡単に接続先を切り替えられるので、PC、Mac、タブレットを行き来するマルチタスク派には最適です。「Flow」機能を使えば、複数のデバイス間でカーソルを移動したり、クリップボードを共有したりすることもできます。
バッテリー駆動時間はフル充電で最大70日間とされており、1分間の急速充電で約3時間使用可能です。私は数週間の使用でバッテリー残量が80%を維持しており、日常使いでの充電頻度はかなり低いと感じました。充電はUSB-C対応です。
Logi Options+で自分好みにカスタマイズ
カスタマイズアプリ「Logi Options+」を使えば、ボタンの機能を自由にカスタマイズできます。
例えば、特定のアプリケーションごとに異なるショートカットを割り当てたり、ジェスチャー機能を設定したりすることが可能です。
デメリット
以上のことからMX MASTER 3S、めちゃくちゃ良いマウスなんですが気になる点もあります。
まず価格が約13,000円〜15,000円と一般的なマウスの相場に比べると高値です。また高速な反応速度を求めるゲーミングユーザーには不向きです。
それでも、静かな操作感、高精度なセンサー、優れたスクロール機能、そして長時間の快適さが揃っており、デスクワークを劇的に向上させてくれます。
まとめ
ロジクールMX MASTER 3Sは、デザイン、機能、パフォーマンスのすべてにおいて高い性能を誇るマウスです。特にオフィスワークやクリエイティブな作業で「最高の道具」を求める人には、これ以上ない相棒となるでしょう。
コメント