長らく待望されてきたソニーの中級フルサイズミラーレス機、α7V(アルファ・セブン・ファイブ)に関するリーク情報が活発化しています。アジアの電波認証を通過し(認証コード「WW084220」)、発売が秒読み段階に入ったと見られています。
本記事では、現時点で判明している確度の高い情報、複数のシナリオに分かれるスペック予想、そして最も気になる発売時期と価格の予測について、詳しく解説します。
発表・発売時期と価格予想
発売時期の有力な予測
α7Vの発表時期については、複数の情報源から2025年10月または11月が有力視されています。
しかし、アジアの認証情報から逆算されたより具体的な予測では、2025年11月中旬以降に発表され、出荷・発売は2026年1月以降になる可能性が高いとされています。当初、2025年前半が予定されていたものの、関税の不確実性や他モデルの需要急増により、発表が後ろ倒しになったと説明されています。
この新型カメラは、現行のα7IVと同様にタイで製造されると見られています。
予想される価格帯
α7Vは、先代α7IV(発売時27万円台)と比較して大幅な価格上昇が避けられない状況です。
海外の情報筋によると、本体価格は3,000ドルに近い、またはUS$3,000 / €3,500程度と予想されています。これを円換算すると、国内での実売価格は50万円級、税別で46万円前後になるという厳しい予測もあります。
一方で、実売で40万円前後、ボディ単体で税別38万円前後になるという予想もあり、最終的な価格は為替の変動に大きく左右されると見られています。
確定情報と外観デザインの特徴
リークされた画像や信頼筋の情報により、α7Vのボディに関するいくつかの特徴が確定しています。
確定した主要スペック・構造
- AIチップの搭載:新AIチップ(AIプロセッサ)が追加されることが確定しています。これにより、被写体認識AF能力が格段に向上すると期待されます。
- モニター:α1IIと同じ複合バリアングルモニタ(4方向バリアングル液晶)を採用します。これはチルトとバリアングルの両方の利点を備えた最新のモニターです。
- メディアスロット:SDカードとCFexpress Type Aのデュアルスロットを備えます。
外観の論争点:グリップとダイヤル
リークされた画像によると、α7Vの外観はα7IVと非常に似ていると指摘されています。
- コントロールホイール:α1IIと同じコントロールホイールを採用している。
- グリップデザイン:右上のプレートはα7IVと同じデザインであり、α1IIやα9IIIのような新しいデザインのグリップではないことが確認されています。
- モードダイヤル:リーク画像では、α7IVと同じ、中央にロックボタンのないモードダイヤルが踏襲されているように見えるため、上位機種(α7RVやα1II)で採用されているボタン付きモードダイヤルではない可能性が示唆されています。ただし、これがプロトタイプの初期ソフトウェアによる誤表示である可能性も指摘されており、最終製品で最新のダイヤルが採用されるべきだという意見もあります。
スペック予想の焦点:センサーと性能
センサーに関しては情報が錯綜しており、α7Vが市場で成功するかどうかを左右する最も重要な論点となっています。
シナリオ1:楽観的な予想(次世代センサー搭載)
多くのリーク情報が期待する「より良いシナリオ」は、以下の特徴を備えています。
| 項目 | 予想スペック |
|---|---|
| センサー | 3300万画素の部分積層型センサー(または他の次世代センサー) |
| 動画 | ノンクロップ4K動画を実現 |
| 読み出し速度 | 劇的に向上し、ローリングシャッターがα1級に低減 |
| 連写速度 | メカニカル15 fps / 電子シャッター20 fps(最大40 fpsの噂も) |
部分積層型センサーの採用は、読み出し速度と高感度耐性を両立させ、α7IVで課題とされていた動画撮影時のクロップ問題やローリングシャッター歪みを解消するために「必須」であると考えられています。また、デュアルゲイン構造により、14+ストップの広大なダイナミックレンジを持つとの噂もあります。
シナリオ2:悲観的な予想(マイナーチェンジに留まる場合)
もしα7Vが以下のスペックで登場した場合、競合機種との競争において厳しい立場に置かれるだろうという懸念が示されています。
- 「新しい」センサーが、実際にはα7IVのセンサーにわずかに手を加えたものに過ぎない。
- 引き続き4K動画にクロップが発生する。
- ボディが再設計されず、AIチップが追加されただけ。
ニコン ZR、ルミックス S1 II、キヤノン C50といった競合機は、中級フルサイズカメラの性能を意図的に制限する時代は終わったことを証明しており、もしα7Vがこのスペックで登場すれば、発売初日から「時代遅れ」に感じるだろうと警告されています。
高画素センサーの噂
信ぴょう性の低い情報として、4400万画素の非積層CMOS(20fps連写)が搭載されるという情報も一時的に浮上しています。しかし、非積層型の場合、読み出し速度とローリングシャッター性能が課題となるため、多くの注目は33MP積層型に集まっています。
詳細スペック予想
AIオートフォーカスの進化
α7Vは、α7IVで好評だったリアルタイム認識AFが、専用のAIプロセッサーによりさらに強化されます。
被写体認識の対象は、人物、動物、鳥に加え、車、列車、ドローンまで自動判別が可能になると予想されており、測距点も759点からさらに増加し、被写体の瞳に吸い付くような速度でピントを追従できると期待されています。
EVF(電子ビューファインダー)と連写性能
- EVF:EVFの解像度は大幅に向上し、約500万ドット級、あるいは約576万ドット(倍率0.9倍)になるという情報があります。これにより、ピント確認のシビアな撮影(望遠やマクロ)で大きな恩恵が得られるでしょう。
- 連写速度:電子シャッター使用時で20コマ/秒(fps)、さらに噂では電子シャッターで40 fpsが実現し、フラッシュ同調速度も向上する可能性が示唆されています。
動画機能と放熱対策
動画機能は、中級機としての性能制限を撤廃する方向で進化が期待されています。
- ノンクロップ4K:6K全画素読み出しによるノンクロップ4K 60pに対応し、APS-Cクロップでは4K 120pも実装される予定です。
- 動画フォーマット:10bit 4:2:2 / S-LOG3 / S-Cinetoneに完備で対応し、編集耐性が高い映像が記録できます。
- 放熱性能の改善:ボディ内部のヒートシンクが拡張されるなど、放熱設計が刷新されます。これにより、30℃環境下で4K 60pの連続撮影が60分以上可能であったというリークもあり、熱停止リスクが大幅に低減される見込みです。
速報:すでに予約注文が開始?!
ベトナムのある小売店は、近日登場が噂されているSony α7Vに対して、すでに予約注文の受付を開始しているとSonyAlphaRumorsが報じています。
この小売店は、α7Vの登場に非常に自信を持っているとされています。
• 予約価格と噂される価格:小売店が提示している価格は、66,990,000ベトナムドン(₫)です。これは約2,600ドル≒約396,000円になります。
まとめ
α7Vは、積層型センサー(または次世代センサー)とAI AFを核として、静止画と動画の両面でα7IVから飛躍的なアップデートを遂げることが期待されています。
特に、高速連写性能、ノンクロップ4K 120pへの対応、そして強化された放熱設計は、ハイブリッドユーザーや動画クリエイターにとって大きな魅力となります。
懸念点としては、価格が50万円クラスに跳ね上がる可能性 と、グリップやダイヤルなど外装の一部が現行モデルを継承している点 が挙げられます。この価格帯の上昇に対して、α7Vが「50万円クラスの説得力」を示せるかどうかが、2025年後半のソニー党最大の注目点となるでしょう。


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