バンコク・ベンジャキティ公園で天体観測「Starry Night Over Bangkok 2024」

タイ

先日、タイ・バンコクで開催された「Starry Night Over Bangkok 2024」という天体観測イベントに、タイ人妻と二人で行ってきました。
望遠鏡で星や月、木星などを観測できる、年に一度きりの貴重なイベントだそうです。

会場の様子を少し撮影してみました。

ベンジャキティ公園で天体観測

会場はMRTアソーク駅から徒歩10分ほどのベンジャキティ公園。この公園は近年新しくオープンした広いエリアがあり、今回のイベントはその中にある広場で開催されています。この公園は普段ランニングをする人が多く、夜でも走りにくる人がたくさんいました。
新しくできたエリアは広大で公園の入口からイベントの広場までさらに10分ほど歩きました。


広場に着くとすでに大勢の来場者で賑わっており、かなりの混雑ぶり。
ひときわ目立っていたのが広場の中央あたりに輝く木星と月を模した大きな球体。
多くの人がここで写真を撮っていました。

そこ以外はほとんど明かりはありません。星を見るイベントなので、余計な明かりは光害になるためだと思いますが、とにかく想像以上に人が多く、よく見えない中を移動するのが大変でした。

暗がりの中、何がどこにあるか分かりにくかったのですが、目が慣れるにつれ、至る所に望遠鏡が設置され、それに行列ができていることがわかりました。

それぞれの望遠鏡には係員が1~2名ついており、月や惑星が見やすいようにピントや方向を微調整してくれます。

望遠鏡で見る木星と月

私たちが並んだ望遠鏡は月を捉えていましたが、雲で視界が悪くなると係員がすぐに鏡筒の向きを木星へと切り替えてくれました。

そして私たちの番になり、望遠鏡を覗いてみると、そこには確かに木星の縞模様と、周囲を取り巻く4つの衛星が!

こんな感じで見えました


今回観察できたのはイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。これらはイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイによって初めて発見された4つの衛星で、ガリレオ衛星と呼ばれるグループの衛星だそうです。

POINT

地球から木星までの距離は約8億8600万kmで、仮に時速300km/hの新幹線で行くと約224年もかかります😂途方もないですよね。
そして木星には2023年現在確認されている衛星の数はなんと95個もあるそう。


他にもいくつかの望遠鏡を見てまわりました。月を捉えた望遠鏡では月の表面がはっきりと観察することができました。
望遠鏡で肉眼で見るだけでなく、望遠鏡の接眼部にスマホのレンズを当てて撮影することもできました。

妻が撮影した月

私は後ろにできた行列が気になり焦ってうまく撮れませんでしたが、妻は綺麗に撮っていました。

妻も初めての望遠鏡での天体観測に大感激でした。私自身は子供の頃に望遠鏡を持っていた経験があるものの、まさかタイで本格的な天体観測ができるとは思いもしませんでした。

月の表面の凸凹のクレーターがはっきりわかるくらい綺麗に撮れたことに妻も驚いていました😳

さらに今回面白かったのは、様々な種類の望遠鏡を間近で見られたこと。
屈折式から反射式まで、大小さまざま。子供の頃は屈折式の入門機を持っていましたが、横側に接眼レンズがある反射式に憧れていたのを思い出しました。
構造上、反射式は太い鏡筒が特徴的で、赤道儀付きや電動モーターで自動追尾するハイスペックな望遠鏡もありました。久しぶりに「天体望遠鏡熱」が刺激された気がします。

その他のイベントのアクティビティ

会場にはステージが設けられ、ライブ演奏やタイの天文学研究者による講演も行われていました。
また、可愛く光る小さな家を作るワークショップなど、星、宇宙に関連したイベント以外のアクティビティもありました。


来場者の約9割はタイ人で、外国人はほとんどいなかったように思います。事前に調べたところ日本語の情報もほぼなく、まるで自分だけが知る特別なイベントに参加しているかのような優越感すらありました。

いつもSNSなどで面白いイベント情報を拾ってきてくれる妻のおかげです😁

イベントの主催「NARIT」について

このイベントの主催はNARIT(National Astronomical Research Institute of Thailand)、タイ国立天文学研究所です。
2004年に設立され、天文学や天体物理学の研究・教育を推進しているとのこと。
タイ北部チェンマイに本部があり、ドーイ・インタノン山中にはタイ国立天文台を設置。2.4mの反射式望遠鏡が稼働しているそうです。
タイにも本格的な天文学研究組織があることを知り驚きました。

タイ国立天文台の望遠鏡

今回の「Starry Night Over Bangkok 2024」は、そんなNARITによる特別な天体観測のイベント。
来年も開催されれば、ワークショップや自分で持ち込んだ三脚での写真撮影も面白そうです。
また一つタイでの貴重な体験ができました。

イベント概要

イベント名「Starry Night Over Bangkok 2024」
場所ベンジャキティ公園新エリア、イベント広場
日時2024年12月7日 17:00~22:00
料金無料

このイベントは1夜限りの開催でした。
日本語の情報が少ないですが、もし興味があれば、来年の開催時期に合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか。

アクセスは、MRTブルーラインのアソーク駅もしくはBTSスクンビット駅から徒歩約10分。

注意点

ベンジャキティ公園内には屋台はおろか水も売っていないので、駅近くで飲み物や軽食を買ってから入るのがおすすめ。

10年越しの奇跡?!

余談ですが、今回この記事を書いていて、ふと昔日本にいた頃に撮った月の写真を思い出し、見返したところ奇跡が起きました。
このイベントに参加した日付が2024年12月7日。
そして、私が昔日本で撮った月の写真は2014年12月7日の日付だったのです!
ちょうど10年前の同日にも望遠鏡で月を見ていたと思うと、何だか奇跡的な巡り合わせを感じました。

10年前に撮った月。望遠鏡+iPhone5Sで撮影。我ながら結構綺麗に撮れてます。

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