タムロンから、2026年3月26日に新しい大口径標準ズームレンズ「35-100mm F/2.8 Di III VXD(Model A078)」が発売されます。ポートレート撮影で人気を博した「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD(Model A058)」の弟分として開発されたこのレンズは、焦点距離を35〜100mmに絞り込むことで、圧倒的な軽量・コンパクト設計を実現しています。
この記事では、A078の特徴やスペック、A058との違い、どんな人に向いているレンズなのかを詳しく解説します。
35-100mm F/2.8 Di III VXD(Model A078)とはどんなレンズ?
Model A078は、フルサイズミラーレス一眼カメラに対応したF2.8通しの大口径標準ズームレンズです。ソニーEマウント用とニコンZマウント用の2種類が用意されており、ポートレート撮影やスナップ、旅行撮影など幅広いシーンで活躍することを想定して設計されました。
2021年に発売された35-150mm F/2-2.8(A058)は、ポートレートズームとして高い評価を獲得しましたが、そのサイズと重量から「もう少し軽く、コンパクトに」という声がユーザーから多く寄せられていました。タムロンはそうした声に応える形で本レンズを開発。ポートレートで特に使用頻度の高い35mm・50mm・85mm・100mmという4つの焦点距離に絞り込み、徹底した軽量化を図っています。
主要スペック
Model A078の主な仕様は以下のとおりです。
| 焦点距離 | 35〜100mm |
|---|---|
| 最大口径比(開放F値) | F/2.8(通し) |
| レンズ構成 | 13群15枚(XLDレンズ1枚、LDレンズ2枚、GMレンズ3枚) |
| 最短撮影距離 | 広角端:0.22m(最大撮影倍率 1:3.3) |
| フィルター径 | φ67mm |
| 全長(ソニーEマウント用) | 119.2mm |
| 質量(ソニーEマウント用) | 565g |
| 希望小売価格 | ソニーEマウント用:173,800円(税込)/ニコンZマウント用:178,200円(税込) |
| 発売日 | 2026年3月26日 |
5つの注目ポイント
1. 驚異的な軽量・コンパクト設計
本レンズの最大の魅力は、その携帯性の高さにあります。ソニーEマウント用で長さ119.2mm・質量565gという数値は、同クラスのF2.8ズームレンズの中でも際立ってコンパクトです。スイッチ部や内部構造の最適化、部品形状の工夫、光学系の吟味といった多角的なアプローチによって、小型・軽量化と高い剛性の両立を実現しました。
タムロンはこのレンズを「ポケットレンズ」と表現しており、旅先でもカバンに気軽に入れて持ち出せる扱いやすさは、日常使いのレンズとして大きな強みになります。
2. F2.8通しの大口径で美しいボケ
全焦点距離でF2.8の明るさを維持しているため、ズーム全域で柔らかく美しいボケを楽しめます。13群15枚のレンズ構成には、XLD(eXtra Low Dispersion)レンズ1枚、LD(Low Dispersion)レンズ2枚、GM(ガラスモールド非球面)レンズ3枚を効果的に配置。色収差をはじめとするさまざまな収差を抑えることで、ズーム全域にわたって高い解像性能を発揮します。
また、BBAR-G2(Broad-Band Anti-Reflection Generation 2)コーティングを採用しており、逆光下でのゴーストやフレアを効果的に低減。クリアで抜けのよい描写が期待できます。
3. タムロン史上最高レベルのVXD AF
AF駆動には、タムロン史上最高レベルと謳うリニアモーターフォーカス機構「VXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)」を搭載しています。高速かつ高精度なオートフォーカスは、旅先での被写体のふとした表情も確実に捉えます。動体追従性も高く、予測しにくい子どもの動きにも対応できる点は、家族写真や日常スナップを撮る方にとって心強いポイントです。
さらに、モーター駆動音が非常に静かなため、静かな環境での撮影や動画撮影にも適しています。被写体に気づかれにくいというメリットもあり、自然な表情を切り取りたいポートレート撮影との相性は抜群です。
4. 広角端0.22mの近接撮影能力
広角端での最短撮影距離は0.22m(最大撮影倍率1:3.3)で、被写体にぐっと近寄った撮影が可能です。先代モデルのA058は広角端0.33mでしたので、約11cmもの差があります。カフェでのテーブルフォトや、花や小物のクローズアップ撮影といったシーンでも十分な近接性能を発揮してくれます。F2.8の明るさが生み出す柔らかなボケと組み合わせることで、身近なシーンも印象的な作品に仕上げられます。
5. φ67mm統一フィルター径の利便性
フィルター径がφ67mmに統一されているのも、見逃せない実用上のメリットです。タムロンのフルサイズミラーレス用レンズはφ67mmのラインアップを数多く揃えており、手持ちの他のタムロンレンズとフィルターやキャップを共用できます。PLフィルターやNDフィルターを複数のレンズで使い回せるため、フィールドでの荷物を減らせる点が実際の撮影では大いに助かります。
TAMRON Lens Utilityによるカスタマイズ
本レンズは、タムロン独自の専用ソフトウェア「TAMRON Lens Utility™」に対応しています。USB Type-C端子でパソコンと接続することで、動画・写真撮影に役立つさまざまな機能をレンズに割り当てることが可能です。フォーカスリングの動作方向や感度の調整、カメラボディへの機能割り当てなど、自分の撮影スタイルに合わせた細かいカスタマイズができます。
また、ファームウェアのアップデートもこのソフトウェアを通じて行えるため、購入後も長期にわたって最新の状態を保てるのは安心感につながります。
先代モデルA058との違いを比較
同じタムロンのポートレートズームでも、A058とA078はかなり性格が異なります。
A058(35-150mm F/2-2.8)は、35mmから150mmという広い焦点域をカバーし、広角端ではF2というより明るい開放F値を誇る、ハイスペック志向のレンズです。重量は約1,165g(Eマウント用)と本格的な仕様ゆえにヘビー級で、その分描写性能への評価も非常に高いモデルです。
一方のA078(35-100mm F/2.8)は、焦点距離を100mmまでに絞ることで565gという軽量さを実現した、携帯性重視のモデルです。最短撮影距離が0.22mとA058より短く、近接性能では上回っています。日常的に持ち歩いてポートレートやスナップを気軽に楽しみたいという方には、A078のほうが扱いやすい選択肢になるでしょう。
どんな人に向いているレンズ?
35-100mm F/2.8 Di III VXD(Model A078)は、次のような方に特におすすめのレンズです。
まず、ポートレート撮影をメインに楽しんでいるが、今まで使っていたズームレンズの重さに疲れてきた、という方にとっては理想に近い選択肢になります。35mm・50mm・85mm・100mmといったポートレートに最適な焦点距離をこの1本でカバーできるため、レンズ交換の手間なく撮影リズムを維持できます。
次に、旅行中やお出かけ時に1本だけ持ち歩きたいという方にも向いています。565gという軽さは終日携帯しても疲れにくく、旅先でのポートレートから風景、スナップまで幅広く対応できます。
また、動画撮影も視野に入れているクリエイターにとっても、VXDの静粛なAF動作と鏡筒全長変化を最小限に抑えた設計は大きなメリットです。ジンバルとの組み合わせでも安定した操作が期待できます。
まとめ
タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD(Model A078)は、「本格的な描写性能と軽量携帯性を両立させたポートレートズーム」として、明確なコンセプトのもとに開発されたレンズです。先代A058が持っていた重さという唯一の弱点を解消しながら、F2.8通しの明るさ、高速VXD AF、そして広角端0.22mという優れた近接性能を実現しているのは注目に値します。
希望小売価格はソニーEマウント用173,800円(税込)、ニコンZマウント用178,200円(税込)と決して安価ではありませんが、同スペックのレンズと比べると実売価格での競争力は高くなる見込みです。ポートレートや旅行撮影を気軽に楽しみたい方、そして「軽くて明るいズームが欲しい」と思い続けていた方にとって、Model A078は現時点での有力な選択肢のひとつといえるでしょう。





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