デジタルカメラで写真や動画を記録するために欠かせないアイテムがSDカードです。しかし、カードの表面には多くの数字やロゴが並んでおり、初心者の方にとってはどれを選べば良いか分かりにくいものです。SDカードは単なる保存場所ではなく、カメラの性能を最大限に引き出し、大切なデータを守るための重要なパーツです。この記事では、性能表記の読み方から、撮影スタイルに合わせた最適な選び方までを詳しく解説します。
SDカードの性能表記の読み方
SDカードには「容量」と「速度」に関する複数の規格が記されています。これらを理解することが、失敗しない選び方の第一歩です。
容量の規格(SDHC・SDXC)
SDカードは容量によって呼び方が決まっています。
- SDカード(SDSC)
最大2GBまで。古い規格のため、現在の主流カメラではほとんど使われません。 - SDHCカード
4GBから32GBまで。ファイルシステムはFAT32です。 - SDXCカード
現在のデジタルカメラの主流で、exFATという形式を採用しています。64GBから2TBまでの容量があります。 - SDUCカード
2TBから最大128TBまでの大容量の次世代規格です。
カメラによってはSDXCに対応していない古い機種もあるため、購入前に対応規格を確認しましょう。
書き込み速度と読み込み速度
SDカードの速度には、カメラがデータを保存する「書き込み速度」と、パソコンにデータを移す「読み込み速度」の2種類があります。 パッケージに大きく「最大170MB/s」などと書かれているのは読み込み速度であることが多く、撮影時の安定性に直結するのは、次に説明する「スピードクラス」という最低保証速度の指標です。

スピードクラスの種類
速度の規格は主に3つのマークで示されます。
- スピードクラス(Cマーク)
Class 10は最低10MB/秒を保証します。 - UHSスピードクラス(Uマーク)
U1は10MB/秒、U3は30MB/秒を保証します。 - ビデオスピードクラス(Vマーク)
動画撮影に最も重要な規格です。V30なら30MB/秒、V60なら60MB/秒、V90なら90MB/秒の最低速度が保証されます。
また、端子の形状によって「UHS-I」と「UHS-II」に分かれます。UHS-IIは裏面の端子が2列になっており、対応カメラで使用すると圧倒的な高速転送が可能です。
容量と撮影時間の目安
容量に対していくら撮影できるかを表にしてみました。

SDカードとmicroSDカードの違い
カメラで一般的に使われるのはSDカードですが、スマートフォンやアクションカメラ、Nintendo Switchなどでは一回り小さいmicroSDカードが主流です。 microSDカードは変換アダプターを使うことでカメラのSDカードスロットでも使用可能ですが、接点が増えることで接触不良や速度低下のリスクがわずかに高まります。一眼レフやミラーレスカメラで本格的な連写や動画撮影をする場合は、標準サイズのSDカードを直接使うことが推奨されます。

【写真編】用途別のおすすめ性能と商品
写真撮影では、撮影データをいかに素早くカードへ書き込み、次のシャッターをスムーズに切れるかがポイントになります。
旅行での思い出作り(大容量重視)
旅行中は頻繁にデータを移せないため、容量の余裕が大切です。
おすすめの性能:SDXC 128GB以上、V30以上。
おすすめ商品:KIOXIA EXCERIA。国内生産の安心感があり、大量の写真を安定して保存できます。
街歩きのスナップ撮影(バランス重視)
一瞬を切り取るスナップでは、携帯性とコストパフォーマンスが重要です。
おすすめの性能:SDXC 64GB、V30。
おすすめ商品:SanDisk Extreme。世界的に有名な定番モデルで、信頼性と価格のバランスが抜群です。
野鳥・運動会・モータースポーツ(連写重視)
高速連写を多用する場面では、書き込み速度が遅いとカメラ内のメモリ(バッファ)が詰まり、撮影が止まってしまいます。
おすすめの性能:SDXC 128GB、V60またはV90、UHS-II対応。
おすすめ商品:Prograde Digital。
【動画編】用途別のおすすめ性能
動画撮影は一定のデータを長時間書き込み続けるため、最低保証速度(V規格)が何より重要です。性能不足だと、録画が勝手に止まるエラーが起きます。
フルHD・Vlog撮影
標準的な画質であれば、手頃なカードでも十分に運用可能です。
おすすめの性能:V10またはV30。
おすすめ商品:SanDisk Ultra。コストを抑えつつ、日常のVlog撮影に必要な性能を備えています。
4K動画・Log撮影
高画質な4K動画、特に編集を前提としたLog撮影ではデータ量が増えるため、V30以上が必須です。
おすすめの性能:V30、できればV60。
おすすめ商品:Lexer Professional。安定した書き込み性能があり、動画クリエイターにもよく選ばれています。
4K120pスローモーション・8K動画
4K120p(高フレームレート)や8Kなどの超高画質撮影では、莫大なデータが発生するためV60〜V90の高性能カードが必要です。
おすすめの性能:V90、UHS-II対応。
おすすめ商品:ProGrade Digital IRIDIUM。プロ仕様の書き込み安定性を誇り、高負荷な撮影を支えます。
偽物やコピー品に注意
インターネット通販、特にマーケットプレイスなどでは、有名メーカーのロゴを模した「偽物」や、容量を水増しして表示する「容量偽装」のSDカードが格安で出回っています。
偽物を使うと、実際には保存されていないのに記録完了のように見えたり、ある日突然データがすべて消えたりといった致命的なトラブルが起きます。
まとめ|信頼できるカードで撮影を楽しみましょう
SDカード選びのコツは、自分の撮影用途に合わせて「V規格(ビデオスピードクラス)」を確認することです。
スナップや旅行、標準的な動画ならV30を選んでおけば間違いありません。一方で、一瞬を逃せない高速連写や、高精細な4K・8K動画に挑戦したいなら、V60以上のUHS-IIカードを検討してみてください。
SDカードは消耗品でもあります。信頼できるメーカーの製品を適切に選び、定期的にカメラ内でフォーマット(初期化)することで、トラブルを防いで安心して撮影に集中できる環境を整えましょう。








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