2019年に初代GoPro MAXが登場してから約6年、待望の後継機「GoPro MAX2」がついに発表されました。360度カメラ市場がInsta360やDJIの参入により「戦国時代」を迎える中、GoProがどのような進化を遂げたのか、そのスペックと競合製品との比較、そして見えてきた課題点を解説します。
GoPro MAX2のスペックと進化したポイント
GoPro MAX 2 vs 初代GoPro MAX スペック比較表
| スペック項目 | GoPro MAX 2 (2025年モデル) | GoPro MAX (2019年モデル) |
|---|---|---|
| 発売年 | 2025年 | 2019年 |
| 360度動画解像度 | 8K 30fps 5.6K 60fps 4K 100fps | 5.6K 30fps |
| 360度静止画解像度 | 2900万画素 | 1660万画素 |
| シングルレンズ動画 | 4K 60fps | 1440p |
| センサーサイズ | 1/2.3インチ | 1/2.3インチ |
| レンズ交換 | 可 | 不可 |
| マウント | GoProフィンガー三脚穴 (1/4-20) マグネット式マウント | GoProフィンガー三脚穴 (1/4-20) |
| 防水性能 | 水深5m | 水深5m |
| バッテリー | 1960mAh (低温環境対応Enduro) | 1600mAh (Enduro) |
| マイク数 | 6個 | 6個 |
| 10bitカラー/Log撮影 | 10bit,GP-Log | 非対応 |
| アプリ機能 | 被写体追跡、MotionFrameなど新機能追加 | 被写体追跡、キーフレームなど |
| 価格 (発売時) | 79,800円 | 59,800円 |
6年ぶりの新作となるGoPro MAX2は、多くの点で初代機からパワーアップを遂げています。
TRUE 8K 360°ビデオ撮影
最大のアップデートは、360度ビデオの解像度が5.6Kから8Kに進化した点です。GoProはこれを「TRUE 8K」と称しており、競合他社のアクションカメラと比較して最大21%高い解像度を誇ると主張しています。これは、センサーの未使用部分(黒い領域)を含めずに、実際に使用可能な画素数で計算した結果であり、より高精細な映像を記録できることを意味します。
- 360度動画解像度:8K 30fps、5.6K 60fps、4K 100fps
- シングルレンズ動画解像度:4K 60fps
- 360度静止画解像度:29MP (2900万画素)
また、プロ向けの機能として10bitカラーやGP-Logエンコーディングに対応し、より豊かな色彩表現と編集の自由度を実現しています。
ユーザーが交換可能なレンズ
360度カメラの弱点であったレンズの破損リスクに対応するため、ユーザー自身が工具なしでレンズを交換できるようになりました。これはInsta360 X5と同様のコンセプトで、修理に出す手間なく撮影を継続できます。レンズは耐久性の高い光学ガラス製で、割れにくく、傷にも強いとされています。
強化されたマウントと利便性
本体下部には従来のGoProマウントフィンガーに加え、標準的な三脚穴とマグネット式マウントが搭載されました。これにより、アクセサリーの着脱が素早く簡単になり、様々な撮影スタイルに柔軟に対応できます。
アプリケーションの進化と新しい撮影モード
専用アプリ「Quik」も大幅に進化し、編集作業がより簡単になりました。
- 被写体追跡機能:映像内の人物などを指定すると、自動で追尾してフレーミングを維持します。
- MotionFrame:スマートフォンの動きに合わせて直感的にアングルを探せます。
- POVモードとセルフィーモード:撮影時にあらかじめ前方または後方を向いた映像として記録し、編集の手間を省きます(ただし記録は360度全体で行われます)。
- Camera FX:スピンやフリップといったプロレベルのカメラワークをワンタップで追加できます。
これらの機能は主にモバイルアプリで利用可能です。
プロフェッショナル向けの機能
GoProラボのファームウェアを適用することで、ビットレートを最大300Mbpsに設定できたり、DaVinci Resolve用のプラグインが提供されたりと、プロの編集ワークフローにも対応しています。
Insta360 X5、DJI Osmo 360との比較
GoPro MAX2は強力なライバルであるInsta360 X5やDJI Osmo 360とどう違うのでしょうか。
GoPro MAX2 vs Insta360 X5 vs DJI Osmo 360 スペック比較表
| スペック項目 | GoPro MAX 2 | Insta360 X5 | DJI Osmo 360 |
|---|---|---|---|
| センサーサイズ | 1/2.3インチ | デュアル 1/1.28インチ | 1/1.1インチ CMOS |
| 360度動画解像度 | 8K 30fps 5.6K 60fps 4K 100fps | 8K 30fps 5.7K 60fps 4K 120fps | 8K 50fps 6K 60fps 4K 100fps |
| 360度静止画解像度 | 2900万画素 | 約7200万画素 | 1億2000万画素 |
| レンズ交換 | 可 | 可 | 不可 |
| 防水性能 | 水深5m | 水深15m | 水深10m |
| 動作環境温度 | -10℃~35℃ | -20℃~40℃ | -20℃~45℃ |
| バッテリー容量 | 1960mAh | 2400mAh | 1950 mAh |
| 重量 | 195g | 200g | 183g |
| 暗所機能 | 無し | PureVideoモード | SuperNightモード |
| シングルレンズ動画 | 4K 60fps | 5.7K 60fps (アクティブHDR) | 5K 60fps |
| 価格 (税込) | 79,800円〜 | 84,800円〜 | 67,100円〜 |
比較から見えるポイント
- 価格:DJI Osmo 360が最も安く、GoPro MAX2はInsta360 X5よりわずかに安価です。
- 画質(日中):MAX2の「TRUE 8K」は解像感で優位性を持つ可能性がありますが、Insta360 X5もカリカリとしたシャープな絵作りが特徴です。DJIはややシャープネスが強すぎるとの評価もあります。日中の映像品質は各社ともに高く、好みが分かれるレベルと言えるでしょう。
- 画質(暗所):Insta360 X5が「PureVideoモード」により圧勝しています。DJI Osmo 360も「SuperNight」モードを搭載しており、暗所性能は高いです。
GoPro MAX2は暗所撮影を苦手としており、ここは大きな弱点です。 - 静止画:静止画の解像度はDJIとInsta360がGoPro MAX2を圧倒しています。
- 耐久性・タフネス:防水性能や動作環境温度のスペックでは、Insta360 X5とDJI Osmo 360がMAX2を上回っています。
- 編集アプリ:編集アプリの機能性においてはInsta360が大きくリードしています。
GoPro MAX2の残念なポイント
6年ぶりの登場に期待が高まりましたが、残念ながらいくつかの課題点も見えてきました。
- 致命的な暗所性能の低さ
最大の弱点は暗所性能です。GoProの担当者も「暗所は苦手」と認めており、検証映像では初代MAXよりもノイズ感が増しているように見える場面もありました。センサーサイズが1/2.3インチと競合より小さいことが一因と考えられます。夜間や室内での撮影を重視するユーザーにとっては、Insta360 X5やDJI Osmo 360が明確に優れた選択肢となります。
- 競合に劣る基本スペック
静止画解像度、防水性能、バッテリー容量など、多くの基本スペックで競合製品に見劣りします。特に防水性能が水深5mというのは、アクションカメラとしては物足りなさを感じるかもしれません。
- 革新性の欠如
ユーザーによるレンズ交換や被写体追跡機能など、MAX2に搭載された新機能の多くは、すでに競合他社が実現しているものです。6年という長い期間を経て登場したモデルとしては、「GoProならでは」の革新的な機能が乏しいという印象は否めません。
- 編集アプリの弱さ
デスクトップアプリは提供が終了しており、モバイルアプリについても機能性で他社より劣るとの評価。機能不足が課題となります。
まとめ
GoPro MAX2は、日中の撮影における高解像な映像品質と、GoProエコシステムとの連携に強みを持つカメラです。特にGoProの色味が好きで、明るい屋外での撮影がメインのユーザーにとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、暗所性能の低さや競合に劣る基本スペックを考慮すると、総合力ではInsta360 X5やDJI Osmo 360に軍配が上がる場面が多いかもしれません。特にあらゆるシーンで一台のカメラを使いこなしたいユーザーにとっては、GoPro MAX2の「得意な場面が限定される」という特性は大きなデメリットになる可能性があります。







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