α7S IIIが発売されてから5年近くが経過した。後継機の話題はたびたびSNSの話題に上るものの、2026年2月現在、SONYからの公式発表はゼロだ。「もう出ないんじゃないか」という声がある一方、「2026年に発表される」という予測も根強い。
本記事では、噂・リーク情報・市場動向を整理したうえで、α7S IVが発売される確率を数字で示し、もし出るなら予想スペックはどうなるかを解説する。「待つべきか、今買うべきか」の判断材料として活用してほしい。
なお、本記事における噂・予想はすべて筆者による情報収集と推論をもとにしたもので、SONYの公式見解ではない。事実と推測は意識的に分けて記述しているので、読み進める際はその点を念頭に置いてほしい。
まず結論から|α7S IVは「出る可能性が高い」が、時期は読みにくい
結論を先に言う。
α7S IVは「出ない」と断言するには根拠が乏しく、「2026年中に発表される確率は50〜60%程度」と筆者は見ている。α7SシリーズはSONYのラインアップの中でも動画特化の旗艦として独自のポジションを持っており、FX3やZV-E1と完全に役割が被るわけではない。一方で、開発優先度が他の機種に押されている可能性もあり、発表がさらに遅れる展開も十分ありえる。
「待つべきかどうか」の判断は記事の後半で整理するので、まずは「なぜ出ないと言われるのか」から順に見ていこう。

「α7S IVはもう出ない」と言われる理由
FX3・ZV-E1がα7Sの役割を肩代わりしている
α7S IIIが搭載する1200万画素のセンサーは、現在FX3、FX6、ZV-E1にも展開されている。特にFX3は、プロ向けの動画機能・冷却性能・log撮影対応などで、動画クリエイターの多くのニーズをカバーしており、「α7S IVを出す必要性が薄れているのでは」という見方が一部に存在する。
EVFのアドバンテージが失われつつある
かつてα7SシリーズはEVF(電子ビューファインダー)内蔵という点でFX3と差別化されていたが、SONYはFX2にチルト式EVFを搭載するなど、シネマラインにもEVFを組み込む方向にシフトしている。これにより、α7S系のEVFアドバンテージは以前ほど明確ではなくなってきている。
Alphaボディへのファン(冷却機構)搭載実績がない
α7Sシリーズを含むαシリーズのボディに、SONYはこれまで能動冷却(内部ファン)を搭載したことがない。6K/高フレームレートの動画録画が主流になるなかで、放熱の限界がネックになる可能性がある。もし冷却問題を解決できなければ、α7S IVの立ち位置はFX系シネマラインにさらに追い込まれるだろう。
それでも「出る可能性がある」理由
α7S IIIの更新サイクルがとっくに到来している
SONYのフラッグシップカメラは概ね4〜5年サイクルで更新されてきた。α7S IIIは2020年10月発売なので、2025〜2026年はまさに更新の節目にあたる。サイクルを無視して打ち切りにするには、SONYからの何らかの示唆が必要だが、そういったアナウンスも出ていない。
FX3 IIとのセンサー共有によるコスト最適化
複数のリーク情報によれば、SONYは新センサー(16MPの部分積層型という情報もある)を開発中であり、FX3 IIとα7S IVでセンサーを共有する可能性が指摘されている。これが事実であれば、α7S IVのみを開発する必要はなく、FX3 II開発と並行して生まれる副産物として出てくるシナリオが現実味を帯びる。
海外著名クリエイター・アナリストの2026年発表予測
Tony Northrup(米国の著名な写真家・YouTuber)をはじめ、複数のカメラ系インフルエンサーや海外メディアが、2026年にα7S IVが発表されると予測している。これらはあくまで予測であって公式情報ではないが、業界の肌感覚として「2026年が有力」という空気は確かに存在する。
NABショーという発表タイミングの候補
映像制作業界の大型見本市であるNAB Show(毎年4月、ラスベガス開催)は、SONYがプロ向け動画機器を発表するのに好都合なタイミングとして知られている。2026年4月のNABは、α7S IVの発表候補として最も注目される場の一つと言えるだろう。
発表時期の現実的なシナリオ
現時点で最も可能性が高いと考えられる発表タイミングを整理する。
シナリオA:2026年春(NABショー前後)
最有力候補。4月のNAB 2026に合わせて発表し、夏ごろから販売開始というパターンは、SONYの過去の動向とも一致する。FX3 IIとの同時または近い時期の発表となる可能性もある。
シナリオB:2026年秋(Photokina・CP+ 後継イベントなど)
春に間に合わなかった場合、秋の映像・写真系イベントに合わせて発表というシナリオ。α7S IIIが10月発売だったことを踏まえると、ゼロではない。
シナリオC:2027年以降
開発の優先度がA7R VI・FX3 IIに押され、α7S IVは後回しになるケース。可能性はあるが、この場合は発表に際して相当な機能的飛躍が期待されるだろう。

α7S IVが発表される確率は?
繰り返しになるが、以下はすべて筆者の推論に基づく目安であり、確実な情報ではない。
2026年中に発表される確率:約55%
プラス材料
- α7S IIIのリリースから5〜6年が経過し、更新サイクルの観点で「そろそろ」の時期に来ている
- FX3 IIとのセンサー共有が現実的なら、開発コストが下がり発表のハードルが低くなる
- NABショーという格好の発表の場が2026年4月に存在する
- 複数の業界関係者・海外メディアが2026年を予測している
マイナス材料
- 2025年末時点でリーク・認証申請などの具体的なプレ発表の動きが確認されていない
- α7R VI・A7 Vなど他のαシリーズの開発・リリースに開発リソースが割かれている可能性
- 動画クリエイターはFX3・FX6で十分カバーされており、SONYが急ぐ必要がない
不確定要素
- センサー開発状況(16MP積層センサーの完成度)
- FX3 IIの発売タイミングとの関係
- SONYの2026年ラインアップ戦略(公表なし)
2027年末までに発表される確率:約80%
2026年の発表が見送られた場合でも、2027年末時点ではα7S IIIの後継が6〜7年選手となり、さすがにラインアップとして維持しにくくなる。ここまで来るとFX3 IIやZV-E1との重複がいよいよ明確になり、SONYとしても何らかのアクションが必要になるはずだ。仮にα7SシリーズそのものをFX系に統合・廃止する場合でも、何らかの公式アナウンスが出る可能性は高い。
予想スペック|出るならどんなカメラになるか
以下の表は、公開されているリーク情報・業界トレンド・シリーズの傾向をもとに筆者がまとめた予想だ。あくまで推測であり、実際の製品とは異なる可能性がある。
α7S IV 予想ポイント一覧
| 項目 | 予想内容 | 根拠 | 確度 |
|---|---|---|---|
| センサー画素数 | 約1600〜2400万画素(部分積層型の可能性) | FX3 IIとの共有センサーの噂 α7S系の低画素・高感度路線 | 中 |
| 動画解像度 | 6K対応(4K/120pは確実視) | 競合機の動向、α7Sシリーズの動画フラッグシップとしての立ち位置 | 中〜高 |
| 読み出し速度 | 大幅改善(積層センサーによりブラックアウトフリー対応) | 積層センサー採用の場合、読み出し速度向上はほぼ必然 | 中 |
| AF性能 | AIリアルタイムトラッキング強化(α7 V世代と同等以上) | SONYの最新AIフォーカスは全ラインへ順次展開済み | 高 |
| 手ブレ補正 | 8.0段相当以上(α7 V比改善) | α7 V・α7R Vの実績と次世代への自然な進化 | 高 |
| 放熱 / 録画時間 | 改良ヒートシンク構造・長時間録画対応(ファン内蔵は不明) | α7S IIIの限界が指摘されてきた点 / ただしalphaへのファン実績なし | 中 |
| モニター / EVF | 可動式高精細モニター・高解像EVF(α7R V以上) | 競合との差別化、プロユーザーのニーズ | 高 |
| メディアスロット | CFexpress Type A × 2(またはSD + CFex Type A) | α7 IV・α7R Vとの整合性 | 中 |
| ボディ形状 | 基本はα7 Vのエルゴノミクス継承、縦グリップ対応 | SONY αシリーズの方向性 | 高 |
| 価格帯 | 60〜70万円前後(税込) | α7S IIIが発売当時約50万円、α7 Vが40万円台 / インフレ加味 | 中 |
| 発表タイミング | 2026年春〜秋 | NABショーとの整合、更新サイクル | 中 |
α7S IVとSONY動画ラインの立ち位置
α7S IVを検討するとき、他の機種との関係を理解しておくと判断がしやすくなる。
α7S III との比較
現行機のα7S IIIは2020年発売ながら、今でも動画撮影において優秀な機体だ。4K/120p、1200万画素の低ノイズ性能、最大約15stopのダイナミックレンジなど、現場で使えるスペックは今も色褪せていない。α7S IVへの移行は「今α7S IIIを使っていて困っている人」よりも「これからSONYの動画機材を揃える人」の方が恩恵が大きいだろう。
FX3系との比較
FX3は「シネマライン」という位置づけで、コンパクトなボディ・優秀な放熱・log/RAW出力を備えた動画特化機だ。ただしEVFが内蔵されておらず、スチル機能はα7Sシリーズよりも割り切っている。α7S IVが出るとすれば、「EVF付き・スチルもこなせる動画機」というポジションを引き継ぐことになる。
α7 IV / α7 V系との比較
α7 IV・α7 Vはいわゆるハイブリッド機で、スチルと動画をバランスよくこなす万能機。センサー画素数は33MP前後と高解像で、α7S系の「低画素・高感度特化」とは設計思想が根本的に異なる。超高感度・ダイナミックレンジ優先の動画撮影を求めるなら、α7Sシリーズの系譜の方が適している。
待つべき人 / 今買うほうがいい人
こんな人は待ってもいい
- α7S IIIを持っておらず、これからSONYの動画機を初めて購入する予定の人
- 2026年春まで待てるスケジュール・予算の余裕がある人
- 6K動画・最新センサーにこだわりがある人
こんな人は今買うほうがいい
- すでにα7S IIIを使っていて、現場で大きな不満がない人(まだまだ現役)
- 今年中に本格的な映像制作の仕事・プロジェクトが始まる人
- FX3の方が撮影スタイルに合っている人(EVFが不要・動画特化で割り切れる)
- 予算が限られており、α7S IVが出たとしても60〜70万円のカメラを買えない人
機材はいつまでも「次」を待てる。大切なのは、今自分の撮影に何が必要かを整理することだ。発売予定もないα7S IVのために半年〜1年以上待つのが合理的かどうかは、個人の状況によって大きく変わる。
まとめ
α7S IVを巡る状況を整理すると、こうなる。
「もう出ない」という断言には根拠がなく、かといって「確実に出る」とも言えない。更新サイクル・センサー開発の動き・業界の見方を総合すると、2026年中の発表確率は55%前後、2027年末までには80%前後と見るのが妥当だ。発表された場合の予想スペックは8K対応・積層センサー・AIフォーカス強化などが中心になるとみられ、価格は60〜70万円台になるだろう。
判断の目安としては、「今すぐ撮影に必要なら今買う、余裕があるなら2026年春まで状況を見る」が現実的な落としどころだ。
現時点では公式発表がないため、最終判断は最新の公式情報を確認して行ってください。










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